腕がだるい






心に染めて三十年。

 

なにやら上がり端の敷居のようなところに両手をかけ

懸命に白髪頭でぶら下がっている。



気の利いたましな奴なら

十年ほどで踏み越えてしまうところ。

 

いま一息のところが上れない

両腕がつけ根から外れそうだ。





玉一詩集