午 後
焼け残る町角の小さな店で
人目を忍び
私は白いむしパンを買う
毎日のこの時刻の沈むようなひもじさに耐えかねて……
まるで盗みでもしたように
さりげなく店先を離れ
ひっそりと町外れに消えて行く。
家路を遠く
原っぱの雑草に腰を下ろし
かっての餓えた少年の日のように
雪を仰ぎ白いむしパンを食べていると
私はだんだん空しくなる
風に揺れる雑草のように
雑草を揺する風のように
玉一詩集