自虐






悲しみが腐ってくるとき

私は求めて街の雑沓の中へさまよい出る。

食うことの難しさに心潰れ

買い物客が溢れているデパートの中へ用もないのに入って行く。

不甲斐ない自分の生をそこで激しく鞭うつために!



そこでみすぼらしい私の身なりに向いてくる冷たい

他人の目が光った。

怠惰な私の心に必要な俊厳な冷気があった。

鞭うてよその自分を

貧困に心潰れた無気力な自分の心を。

私は得なければならない

何よりもまず掴まねばならない

起ち上る清新な心のバネを!

激しく自分を鞭うつことから

自分を惜しむ自分への最後の愛を

今は何とかえても残さねばならなかった。

私はすでに貧困の泥沼で腐りかけている。

汚辱な日常に馴れきっている。



玉一詩集